Breaker's Break 05



誰の友にもなろうとする人間は、誰の友人でもない。
今まで、どれほどの人を友人と認識しただろう。




「…ああ?本気かよ」
『生憎と本気だよ。私のテンション、いつもと違うだろう』
「そりゃそうだけどさ…反政府軍って…お前本当に本気か?大丈夫なのか?」
『君からそんなに心配されるとは思っていなかったな。私よりも依頼人の心配をしたほうが良い』
「そりゃそうだけどさ。…朔夜、どうしてる」
『………………、元気にやっているよ』
「…そうか?なら良い。よろしく伝えておいてくれ」



それなりに混みあった喫茶店。
一番奥の席に陣取り、朝陽は珈琲を啜っていた。
残りが半分ほどになった頃、内ポケットから携帯を取り出す。
3分ほど見つめ、

「…この番号で繋がればいいけどな」
ゆっくりとキーを押して、呼び出し音に変わったのを確認し少しだけ安堵のため息を吐いた。
ややあってぷつ、と音がし、

『何の用事だ、億劫がりのお前が』

男性の深い声が朝陽の耳に届いた。

「久しぶりだな、川神
『用件は』

川神、と呼ばれた男はどうやら雑談が好きではないらしい、淡々と目的を尋ねる。
「あのさ。お前のところに倉上って女が入るの、本当か?」
『申請なら三ヶ月ほど前に来ている。頭脳、体力共に申し分ないな。受理する予定でいるが、それがどうかしたのか』
「…俺の知り合いってだけだよ。近いうち、そいつの所属してる大学が無くなる」
『それは有り難いな。あそこには中々良い人材がいる。お前らに頼んだ者へ感謝しなければな』
「はっ!よく言うよなあ、ただの破壊屋の俺らよりよっぽど力も頭もあるだろうに」
『どうでも良い事。…用件はそれだけか』
「ああ、それだけだ」
『そうか。ならば俺から一つ言っておいてやろう』
「…んだよ」

通話を終わらせようとしていた朝陽の手が止まり、不機嫌そうに返答をする。
受話器の向こうから馬鹿にされるような、あまり宜しくない笑みがこぼれ、

『お前の所の妹、よく気をつけた方がいいんじゃないか?』

ぶつっ

どういうことだ、と返す暇も無く通話は一方的に終わらせられ、朝陽は手の中の携帯を見つめた。
暫く呆然としながら、しかし数分後には顔つきを険しくする。
こんな所でのんびりしている暇はなさそうだ、何かあったのかもしれない、と。
何らかのアクションを起こした方が良さそうだと考えながら支払いを済ませ、喫茶店を出る。
小脇に抱えた電子工学の本を一瞥し、棲家にしているビルへと駆け出した。


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Postscript

手前がいつもより大分長くなったはずなので今回は短めにしました
特にこれといって書くことは無いから、…どうしようか。
ブログにもちらっと書いたのですが、どうやらちらほらとお客さんがいらっしゃってくださっているようで。
専用のページ、…いや、フレーム内のメニューでも良いか。
作品ページにリンクさせてね、というサーチ様が多いので(悪くないと思いますけれども)。
上手く工夫して少しでも多くの方に楽しんでいただくようにするつもりでいます。



感想、誤字脱字等御座いましたら拍手へ。
糧になります。